出エジプト13章 彼らが昼も夜も進んで行くためであった

出13:21「主は、昼は、途上の彼らを導くため、雲の柱の中に、夜は、彼らを照らすため、火の柱の中にいて、彼らの前を進まれた。彼らが昼も夜も進んで行くためであった」

聖書に最初に登場する「雲の柱」と「火の柱」はこの箇所が初めてです。モーセにいちいち「北へ行け」とか「東に行け」と言わなくても、この方法なら民が迷うことはありません。おそらく全イスラエルの民が目撃したこの雲と火の柱は、動かじ難い神の臨在でもあったはずです。しかし、ひとたびことがうまく運ばなくなると、荒野で自分たちを死なせるのか(14:11)と不満を言うのです。この直後、エジプトの追手が近づいたときに、先頭にいた雲の柱はイスラエルしんがりに回り、エジプト軍とイスラエルの陣営の間に立ってイスラエルをかばっています(14:19-20)。葦の海を渡ったイスラエルの民は、疑わずに雲と火の柱に従って歩みます。やがてモーセに天幕の仕様が伝えられ、イスラエルの民は天幕を携えて荒野を旅することになります。そのとき雲の柱は会見の天幕にとどまり、イスラエル人は会見の天幕に雲がある限りその場を動こうとはしませんでした(40:34-38)。それは、最初のエジプト軍との間に立ってイスラエルを救った雲の柱を目の当たりにしたからだと思います。荒野の旅の途中でいろいろな不平を言うイスラエルの民ですが、会見の天幕にある雲の柱を見て疑う者は誰もいなかったのではないでしょうか。