出エジプト15章 彼らには水が見つからなかった

出15:22「モーセイスラエルを葦の海から旅立たせた。彼らはシュルの荒野へ出て行き、三日間、荒野を歩いた。彼らには水が見つからなかった」

モーセの姉ミリヤムは、エジプトの戦車や騎兵が海に飲み込まれたことを喜び、タンバリンで踊っていました(20)。モーセは80歳だったのでミリヤムは相当年寄りだったと思われますが、彼女の信仰は目の前で起きた奇跡で奮い立たされたのです。彼女は女預言者だと書かれ、ヘブル語「nebia(ネビア)」は預言者の女性名詞で、士師記のデボラ(士4:4)、列王記の中のフルダなどに使われています(2王22:14)。教会などでタンバリンチームを見かけますが、おそらくミリヤムに従った女たちは服装もまちまちで、喜びに満ちた各々の踊りを主にささげたのだと思います。彼女たちの喜びも束の間で、イスラエルの民はすぐに次の問題に直面します。それは飲み水の問題です。ようやく三日の後にマラで水を見つけますが、苦くて飲めません(23)。彼らの直面した問題は、人の生活ならば必ず起きることで、奴隷の苦しみからは逃れることができても、衣食住にまつわる人の営みは変わることがないのです。イスラエルの民はおろかモーセでさえも、この次に何が起きるかは知らされていません。彼らの口からは、当然のように「私たちは何を飲んだらいいのですが(24)」と出てきました。海を分けるのを目撃しても、まだ彼らは本当に神を信頼していなかったのです。