出エジプト18章 彼らにおきてとおしえとを与えて

出18:20「あなたは彼らにおきてとおしえとを与えて、彼らの歩むべき道と、なすべきわざを彼らに知らせなさい」

この段階ではまだ十戒イスラエルに与えられていません。イスラエルの民の中には、エジプトからカナンまでの距離を知る者もいたでしょう。おそらく数日、長くても数週間で荒野での不便な生活も終わるはずです。それでも彼らには昼は雲の柱、夜は火の柱となって導いてくださる神の存在が心の支えになっていたはずです(13:21)。モーセがいままで経験した神への恐れと信仰が、さばくときの指針になっていたのでしょう。エジプトという脅威から逃げたなら、今度は荒野での実生活が待っていました。それぞれに天幕を張り、日常を送る日々が続くのです。民はすぐにやれ「水が苦い(15:23-24)」だの、「肉が食べたい(16:3)」だの文句を言います。モーセに持ち込まれたさばく案件の中にはけんかの仲裁やものの貸し借りの問題もあったでしょう。モーセはそのような細かな問題をひとりで解決しなければならなかったのです。モーセのいた会見の天幕には主の雲がおおい、栄光がありました(40:34)。雲が何日もその場に留まるなら、イスラエルは旅立ちませんでした(40:37)。長くなる生活の中で神を恐れ、不正を憎む正しい者たちにイテロはさばきを委ねよと提案するのです(22)。