士師記11章 その者を全焼のいけにえとして

士11:31「私がアモン人のところから無事に帰って来たとき、私の家の戸口から私を迎えに出て来る、その者を主のものといたします。私はその者を全焼のいけにえとしてささげます」

ギデオンには70人の息子がいて(8:30)、イブツァンには30人の息子(12:9)、アブドンには40人の息子、30人の孫がいた(12:14)と書かれています。当時のさばきつかさたちはいずれも多産で多くの子どもを儲けていました。ただし、エフタには、たった一人の娘しかいなかったのです(34)。数少ない肉親が勝利したエフタを最初に迎え出ることはあり得ることです。それともエフタには自分の信頼する部下とか奴隷が迎え出ると考えたのでしょうか。そもそもエフタが主の霊が注がれアモン人の前まで進み出たとき(29)、イスラエルの神が自分を支えて守ってくださるとは思わなかったのでしょうか。人を全焼のささげものとするのは主の考えではありませんでした。それは、おそらく異教の神のしきたりを取り入れたエフタの間違いだったのでしょう。なぜならその請願があろうがなかろうが、主はエフタを助けアモン人に勝利することができたからです。この事件はイスラエル全土に衝撃となり、イスラエルの娘たちはエフタの娘のために毎年四日間嘆きの歌を歌うことがしきたりとなったとあります。エフタのさばきつかさとしての活躍は6年と短いですが(12:7)、イスラエルの記憶には残っていたさばきつかさだと思います。