士師記5章 なぜダンは舟にとどまったのか

士5:17「ギルアデはヨルダン川のかなたに住んでいた。なぜダンは舟にとどまったのか。アシェルは海辺にすわり、その波止場のそばに住んでいた」

シセラとの戦いは、イスラエルが一丸となって戦ったわけではなさそうです。エフライム、ベニヤミン、ゼブルンは最初に出てきて戦っています(14)。デボラといっしょにいたイッサカルは谷を進んでいましたが、ルベンにはいまひとつ心に決心がなかったようです(15)。そして、ダンとアシェルについては、イスラエルの危機のときに動かず静観していました(17)。それとは対照的にゼブルンとナフタリは、いのちを顧みない勇者が集まっていました(18)。シセラはイスラエルの全軍で戦っても勝てるかどうかなのに、一致が見られません。それでも天はイスラエルに味方し、星は軌道を逸脱してまでシセラと戦ったと書かれています(20)。これはどう言う意味だかわかりませんが、ヨシュアはエモリ人と戦ったときに「日よ。ギブオンの上で動くな。月よ。アセロンの谷で(ヨシュ10:12-13)」と言って、日も月も動かなかった記述が残っています。天の星が味方に加わり、さらにキション川が氾濫してシセラを押し流したとあります(21)。そのようなイスラエルの不和と天の助けの戦いの中、もっとも祝福を受けたのはケニ人ヘベルの妻、ヤエルでした(24)。デボラの意向にかかわらず、イスラエル人とは異邦のケニ人ヤエルが難敵シセラを倒したのです。