言葉だけで

ヨハ11:43「そして、イエスはそう言われると、大声で叫ばれた。『ラザロよ。出て来なさい』 」
今回のイエス様はとても慎重です。まず、ラザロが病気だと聞いたとき、なお2日そこにとどまられました(6)。ラザロたちがいたベタニヤはエルサレムから3キロほどだとあるように(18)、イエス様のいた場所からも近かったと思われます。あえてその近い土地へ踏み込まず、ベタニヤに着いたときも、マルタが出迎えた村の入口から動かず(30)、マリヤとの会話もその場所で行いました。墓に着いても墓から離れた場所に立ち、石を動かすように命令しています(39)。これは、ラザロに触ることのないように配慮した結果だと思います。マジシャンではないですが、何か細工してラザロが蘇ったとなると、あとあと面倒になるからです。イエス様は薬を使ったとか、何か秘薬をかけた、などと噂されるなら、神の栄光もどこかに吹き飛んでしまうでしょう。イエス様がなされたことは唯一ラザロに声をかけただけです。9章では盲人に泥を塗って目を開けました。その結果、大きな問題を引き起こし、イエス様の奇跡は魔術師のように思った人もいたはずです。しかし今回はそうはいきません。完全に神の栄光を表わす必要があります。言葉だけでよみがえる権威を見せつけることによって、イエス様が神の子であることを信じる者が多く与えられたのです。