アブラハムの交渉術

創23:16「アブラハムはエフロンの申し出を聞き入れ、エフロンがヘテ人たちの聞いているところでつけた代価、通り相場で銀四百シェケルを計ってエフロンに渡した」
ツォハルの子エフロンはヘテ人の中でも権力者で、土地の売買、譲渡に関して権利を持つ者でした。アブラハムもエフロンもヘテ人の門の近くで大声で周りの人に聞こえるように交渉しました(10)。それは二人とも、お互いを認め合っているものの、決して密約などで土地のやり取りをしてはいけないことを承知していたからです。まず、へフロンはアブラハムに「差し上げます」という条件を提示します(11)。アブラハムはそれに対し、代価を払う…つまり買いたいと申し出ました(13)。アブラハムにとっては、マクベラの土地はマムレの樫の木を含む土地で、祭壇を築き(13:18)、3人の神の人と出会った場所でもあります(18:1)。神と出会った場所はアブラハムにとって一生忘れることのできない出来事です。それゆえ、400シェケルという大金を払っても手に入れたいと願ったのだと思います。エフロンの提示した金額は大金でしたが、アブラハムの誠実な態度は、二人の交渉を滞りなく行なわせました。