じゅごんの皮

民4:10「この燭台とそのすべての器具をじゅごんの皮のおおいの中に入れ、これをかつぎ台に載せる」
じゅごんについては諸説ありますが、ヘブライ原語「ターハシュ」は海牛その他イルカなども指す言葉です。キングジェームスでは「Badger(アナグマ)」と訳され、アメリカンスタンダードでは「Porpoise(ネスミイルカ)」と訳されています。さらに別訳では「アザラシ」だとするものもあります。アナグマはとにかく、他の3つの訳を見るなら淡水、あるいは海水に住む動物であることがわかります。これは荒野にいたイスラエル人が水を求めて水辺に来たとき、温厚なじゅごんを捕まえ食べていたことを示しています。海水は飲めませんから、アザラシ、イルカを捕獲して皮を使うのは難しいと思います。またじゅごんの皮はなめしやすく、うすく広げるのにも適しているそうです。いろいろな条件を統合して考えるなら、日本語訳の「じゅごん」は妥当な訳だと言えるでしょう。とにかくじゅごんという単語が出てくるのは、出エジプト民数記ぐらいのもので、ほかにはエゼキエルに出てくるだけです。ケハテ族が担当したのは会見の幕屋の中の器具です。それらのものは運ぶときに周りから直接見えないように、じゅごんの皮がかけられていました。こういった細かい部分まで指定されていることに驚かされます。