じゅごんの皮

民4:6「その上にじゅごんの皮のおおいを掛け、またその上に真っ青の布を延べ、かつぎ棒を通す」
日本語訳の聖書では新改訳、共同訳、口語訳とも「じゅごん」が使われていますが、英語訳ではキングジェームスでは「badgerあなぐま」NIVでは「durable耐久性のある」NASB「porpoiseネズミイルカ」その他やぎやアザラシという訳もあり、はっきりしません。ここではあかしの箱、つまり契約の箱をかぶせる皮のことを説明していますが、天幕のおおいにも同じ皮が使われています(出26:14)。契約の箱ならいざ知らず、天幕を覆う皮となると相当数かあるいはなめした場合、かなり広がる皮でなければなりません。原文ヘブル語の「tachash(タハシュ)」は現在でも解明されていない、不明の生き物で日本語のように「じゅごん」と断定するわけにはいきませんが、なめしたときに広がり、耐久性が強いということからアザラシやじゅごんのような海洋の哺乳類は、多くの学者が支持するところです。契約の箱はこの動物の皮で包まれ、青い布をかぶせられ運ばれました。アダムとエバも動物の皮で作られた覆いを主に与えられたことがあります(創3章)。動物の犠牲は人の罪をカバーするものの象徴で、天幕も契約の箱も動物の皮で覆っているのは何か意味があるように思います。