出エジプト26章 幕屋を十枚の幕で造らなければならない

出26:1「幕屋を十枚の幕で造らなければならない。すなわち、撚り糸で織った亜麻布、青色、紫色、緋色の撚り糸で作り、巧みな細工でそれにケルビムを織り出さなければならない」

今までは祭壇だけが、神を礼拝するための道具でしたが(24:4)、25章になり契約の箱を作るように指示されています(25:10)。その後でそれを入れるための幕屋を作るように指示され(1)、順番としてはあべこべのような気がします。幕は単なる亜麻布のものではなく、色がつき、刺繍が施されなければなりません(1)。天幕にはやぎ(7)、雄羊、じゅごん(14)の皮が使われており、動物の血を流すことによって幕屋自体が贖われた存在のように思えます。創世記ではアダムとエバのために、神が皮の衣を作ってくださった記述があります(創3:21)。それは歴史上初めて動物の血が流され、アダムとエバが罪のために死なないように贖われた贖罪が行なわれたことを示しています。モーセの幕屋でも、幕屋を作るためには動物の血を流さずには作れないようになっていました。これらの色のついた糸や動物の皮などは民の中から持ち寄ったものでした(35:23)。とくに「じゅごん」と訳されているヘブル語「tachash(タハーシュ)」は、おそらく川や海に生息していた生き物だと考えられているので荒野での入手は困難です。幕屋には流された動物の血と、民の捧げる思いが合わさって聖別されたものとなっていきました。