銀行と利息

マタ25:27「だったら、おまえはその私の金を、銀行に預けておくべきだった。そうすれば私は帰って来たときに、利息がついて返してもらえたのだ」
銀行に当たるギリシャ語は「trapezites(トラペジテス)」は聖書の中で唯一この箇所だけに使われている言葉で、もともとは「両替商」「仲買人」などの意味があります。イエス様の時代には取税人がいて、彼らはローマの依頼を受け税金を徴収していました。しかし、手数料に関しては決まっておらず、取税人が勝手に自分の手数料を決めていたのです(5:46)。また、神殿では献金のためにローマのお金からユダヤのお金に両替する両替商たちがいました(21:12)。当然彼らも手数料をもらっていました。このように、何かをしてその手数料や仲介料を取るという仕組みは、イエス様の時代に確立されてたようです。当然、お金を預かってそれを元手にお金を儲け、預けた人に利息を払うという現在の銀行のような仕組みもあったと思います。なぜなら、ローマ帝国時代にはニセ金が流通するほど金融が盛んになっており、物々交換ではなく、金貨や銀貨の量で裕福かどうかを測っていたからです。それにしてもイエス様から「利息」という言葉が出るのは不思議な感覚です。人が神によって造られた限りは、何らかの目的や役割があるはずです。何もしないでただ生きているだけ、という人生を神は望んでおられないと思います。