神がそうしむけられたから

2歴10:15「王は民の願いを聞き入れなかった。それは、かつてシロ人アヒヤを通してネバテの子ヤロブアムに告げられた約束を主が実現するために、神がそうしむけられたからである 」
神が介入なされるなら、どうしても人の思いや考えとは違った方向に向かってしまいます。レハブアムの選択肢は2つです。1つは長老たちの柔和政策(7)、もう1つは若者たちの強硬路線です(11)。この若者は一般にいる民の中の若者たちではなく、レハブアムと一緒に育った王に仕える者の中の高官の子どもたちだと思われます(10)。長老たちは思慮深く、少なからずソロモンの税制は少し厳しすぎると思っていた感があります(7)。一方、若者たちは王宮で黄金に囲まれる生活を手放したくはありません。人間ならばごく自然な反応です。ソロモンは知恵ある者でしたが、その贅沢さも桁違いで、彼のもとで生活を続けるなら金銭感覚が麻痺するのは当たり前だとも言えます。神はレハブアムにも同年齢の若 者と同じ思いを入れたようです。彼の父ソロモンは異邦の女たちを愛し、妻は700人妾は300人だったとあります(1王11:1-3)。妻たちはソロモンの心を転じさせ異邦の神を拝むようになったのです(1王11:4-5)。このソロモンの裏切りのゆえに神は、ヤロブアムと預言者アヒヤが野原で出会ったときに、アヒヤの新しい外套を12に引き裂き、10をヤロブアムに与えユダ国を分裂させたのです(1王11:27-34)。