子牛を二つ

1王12:28「そこで、王は相談して、金の子牛を二つ造り、彼らに言った。「もう、エルサレムに上る必要はない。イスラエルよ。ここに、あなたをエジプトから連れ上ったあなたの神々がおられる」」
聖書ではヤロブアムは「手腕家」だったと書かれています(11:28)。それゆえソロモンはヨセフの家のすべての役務を管理させました(11:28)。ソロモンほどの知恵者が認めるヤロブアムの能力の高さは相当なものだと思います。「金の子牛」はモーセシナイ山十戒を授かっているときに、民が待ちきれずに身に着けている金を溶かして作った偽りの神の像のことです(出32:24)。エジプトではアピスという牛の神がおり、古代から信仰されていたようで、現在アピスの像はルーブル美術館に 展示されています。ヤロブアムはソロモンから逃れ、ソロモンが死ぬまでエジプトにいました(11:40)。その影響なのか、彼にはエジプトの神を信仰する習慣がついていたようです。賢いヤロブアムは、レハブアムの失策を期に10支族の王となります(20)。しかし、ダビデ、ソロモンのように主を崇めなくても、自分たちが定めた金の子牛でなんとかなるという発想は、稚拙で「手腕家」と呼ばれた彼にふさわしくありません。所詮その程度の器量だったのでしょうか?