ミカ2章 たわごとを言うな

ミカ2:6「「たわごとを言うな」と言って、彼らはたわごとを言っている。そんなたわごとを言ってはならない。恥を避けることはできない」
「たわごと」のヘブル語「nataph(ナターフ)」はもともと「しずく」や「預言」の意味があります。預言をしずくのようなたわいもないことのように言われるのは、預言者としてはつらいものです。それゆえにミカは「私のことばは、正しく歩む者に益とならないだろうか(7)」と反論しています。ミカの時代はヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代だとあります(1:1)。ヒゼキヤの14年目にはセナケリブがユダを包囲し(2王18:3)、ヒゼキヤの父アハズ王のときにはアッシリアがユダに圧力をかけていた時代です。そんな時代にユダが滅ぼされる預言が「たわごと」だとは、かなり気が緩んでいるような気がします。「みごとな上着(8)」だの「楽しみの家(9)」は、ユダがまだ経済的に余裕があり、ぜいたくな暮らしぶりを感じさせます。しかし、自分たちの土地は荒らされ、割り当て地もばらばらになってしまうのです(4)。結局ヒゼキヤの祈りもあり、ユダは主から守られセナケリブは撤退します(2歴32:22)。ミカの預言が実現するのはヒゼキヤの死後さらに110年も後のことになります(2王24:12)。