ミカ3章 力と、主の霊と、公義と、勇気とに満ち

ミカ3:8「しかし、私は、力と、主の霊と、公義と、勇気とに満ち、ヤコブにはそのそむきの罪を、イスラエルにはその罪を告げよう 」
ヤコブはサマリヤを持つイスラエル国のことであり、イスラエルはユダ国を指しています(1:5)。ここでは「そむきの罪」と「罪」が書かれており、それぞれヘブル語は「pesha(ぺシャー) 」と「chatta ath(ハッタアス)」が使われ、罪でも意味が違っています。イスラエルの犯した罪は「pesha」だと書かれ、「背信」の意味があります。一方の「chatta ath」は律法を侵した「罪」であり、神が定めた律法から離れたことを指しています。イスラエルは神殿も契約の箱もなかったために、そもそも神に仕えることが困難な状態でした(1王12:28)。イスラエルにはエリヤ、エリシャ、ホセア、アモスなどの預言者がまことの神のことばを預かり、かろうじてイスラエルが主から完全に離れることはありませんでした。ユダ国ではイザヤ、エレミヤ、エゼキエルと大預言者が主のことばを預言し、彼らが主から離れることがないように努めていました。ミカはちょうどイザヤが活躍していた時期と重なり、両者ともユダとイスラエルのさばきについて預言しています。エルサレムでは正しいものが曲げられ(9)、祭司も預言者も金を取って仕事をしていました(11)。そのような不義を主が赦されるはずもなく、力、主の霊、公義、勇気のすべてを使って、正義を訴えています。