ヨブ記40章 神を責める者

ヨブ40:2「非難する者が全能者と争おうとするのか。神を責める者は、それを言いたててみよ 」
圧倒的な神の知恵と力とに、ヨブは言葉も出ません。「神を責める者」は口語訳では「神と論ずる者」になっています。ヨブは「二度と、私は繰り返しません(5)」と神の前に白旗を挙げています。そして、神が発言する時には「あらし」の中から語りかけています(6、38:1)。ヨブは神のことばを強い風と雨とにさらされながら聞いているのです。神は天地が造られたときにヨブはどこにいて、何をしていたかを尋ねています(38章)。さらに動物の性質や生態系は誰の知恵によるものかを尋ねます(39章)。そして今、神は「ベへモス(15)」と「レビヤタン(41:1)」を例に挙げ、これらの巨大な獣をヨブは捕らえたり(24)、釣り上げることができるかと尋ねます(41:1)。どれ一つとしてヨブが反論できるものはありません 。いかにヨブが正しいとしても、ヨブが天地を創造したわけではありません。ヨブは被創造物なのです。それをわきまえない限り、今回の試練の意味は薄れてしまうでしょう。神はヨブに必要だった、たったひとつのことを教えるために、試練を与え、友人3人を運び、論じ合わせました。ヨブの正義はあくまでも、神の造られたものの下でのことです。被造物が正義を唱え、創造者に肩を並べることがあってはなりません。それは、ある天使が侵した最大の過ちだったからです(イザ14:12-15)。