士師記4章 鉄のくいを打ち込んで

士4:21「だが、ヘベルの妻ヤエルは天幕の鉄のくいを取ると、手に槌を持ってそっと彼のところへ近づき、彼のこめかみに鉄のくいを打ち込んで地に刺し通した。彼は疲れていたので、熟睡していた。こうして彼は死んだ」
エフデが亡くなると途端に悪に走るイスラエルの民に(1)、主はカナン王ヤビンという新たな試練を与えました(2)。この「圧迫(3)」がどういうものだったかは聖書に書かれていませんが、鉄の戦車900両(3)という書き方から軍事力を背景にした脅しのようなものだったと思われます。4章にデボラとヤエルという2人の女性が登場します。デボラは唯一の女性士師で、イスラエルをさばいていた(4)とあります。「さばく」は罪に定めることではなく、善悪を見極めることのようです 。デボラはナフタリ族というあまり強くない部族からバラクを呼び寄せ、ヤビンの将軍シセラと戦うように言いますが(6-7)、バラクはデボラに一緒に行ってくださいと頼んでいます(8)。戦いに出たバラク軍は勝利し、シセラのみが徒歩で脱出しました(15)。シセラは友人のケニ人へベルのもとに行きますが、なぜかへベル本人でなくその妻ヤエルのところに逃げるのです(18)。バラクもシセラも女性に頼り、窮地の打開を図ろうとしています。しかし、シセラの判断は甘かったようです。20年間イスラエルを苦しめた(3)様子をヤエルは知っていたのでしょう。900両の戦車を持つシセラは一本の釘に倒れるのでした(21)。