士師記4章 ひとりの女の手に売り渡される

士4:9「そこでデボラは言った。「私は必ずあなたといっしょに行きます。けれども、あなたが行こうとしている道では、あなたは光栄を得ることはできません。主はシセラをひとりの女の手に売り渡されるからです。」こうして、デボラは立ってバラクといっしょにケデシュへ行った」

デボラはバラクの望みとおり一緒に出ていきました。しかし、デボラはすでに「わたしはヤビンの将軍シセラとその戦車と大軍とをキション川のあなたのところに引き寄せ、彼をあなたの手に渡す(7)」と預言しており、バラクがそのまま出陣していればシセラを打った手柄を自分のものにできたでしょう。バラクはなぜデボラが一緒に行かなければならないと思ったのでしょうか。おそらく、バラクには確信がなかったのだと思います。それゆえに、神はバラクの弱気を見て、バラク自身に栄光を与えず、ひとりの女ヤエル(18)を備えてシセラを打つようにしたのです。デボラの言ったとおりにキション川でバラクはシセラの軍を打つことができ、壊滅的なダメージを与えることができました(13-15)。主の用意された女ヤエルは、自分の家と親しかったシセラが来たときすぐにシセラを打つことを決めていたように見えます(18)。狡猾でシセラのこめかみに鉄のくいを打つときにも何の迷いも感じられません(21)。しかも、バラクが現れたときに「あなたの探している人をお見せしましょう(22)」と得意げに語るのです。弱気なバラクに比べ、ヤエルの決断力と行動力は抜きん出ています。バラクは本来ヤエルのように、主の命令を実行しなければならなかったのです。