詩篇87篇 ラハブとバビロン、ペリシテとツロ

詩87:4「わたしはラハブとバビロンをわたしを知っている者の数に入れよう。見よ。ペリシテとツロ、それにクシュもともに。これらをもここで生まれた者として」
ラハブはエジプトのことで(イザ30:7)、ペリシテはパレスチナの語源となった言葉です。現在のイスラエルは周辺のイスラム国とはすべて仲が悪いのですが、エジプトだけは平和条約を結んでいます(1979年キャンプデービッド)。それはスエズ運河と深い関係があり、第2次中東戦争でエジプトはスエズ運河の国有化を宣言し(1956年)、大きな利権を手に入れました。スエズがエジプトの生命線となりましたが、第3次中東戦争イスラエルシナイ半島を制圧し、スエズ運河から数キロまで領土を広げてきました(1967年)。そこでアメリカのカーター大統領が仲介し、シナイ半島から撤退を条件に平和条約が結ばれたのです。またパレスチナとはオスロ合意により、アメリカのクリントン大統領の仲介でPLOイスラエルは暫定パレスチナの統治に合意しました(1993年)。このようにイスラエルアラブ諸国は長い年月をかけて和解しようと努力し、大きな戦闘は少なくなりました。しかし、エジプトのサダト大統領は平和条約締結後、イスラエルのラビン首相はオスロ合意後に自国民に暗殺されています。そう簡単に解決しないのが中東問題です。