詩篇48篇 タルシシュの船を打ち砕かれる

詩48:7「あなたは東風でタルシシュの船を打ち砕かれる」

当時はまだ人々は世界の果てを知らず、地中海を超えて西には誰もいったことがありませんでした。タルシシュはジブラルタル海峡にある町で、ここを中心に貿易船は航海を続けていました。また、フランスのレセップスの活躍により1869年に開通したスエズ運河によって、イギリス、ポルトガル、オランダなどの海運国家は一気に世界ルートを短縮し、わざわざアフリカの喜望峰を回らなくともよくなりました。第2次中東戦争でエジプトはスエズ運河の国有化を発表し、そのまま現在に至っています。スエズ運河の通行料は船の大きさにもよりますが、1隻あたり2000から5000万円ぐらいかかるそうで、エジプトの大きな財源になています。詩篇の時代にはまだ地球が丸いことを知らずにいますが、どんなに世界が発展して、どの国にでも行き来できたとしても、エルサレムユダヤ人の聖地であり、近くのオリーブ山はキリストが再臨する場所としてイスラエルの土地はユダヤキリスト教にとって譲れないものです。ましてや、ここにエゼキエル神殿が建つとなると、絶対にイスラム圏には譲歩できないでしょう。世界はもう地中海だけではないのです。やがて「私たちは、聞いたとおりを、そのまま見た(8)」という日が必ずやってきます。