詩篇98篇 イスラエルの家への恵みと真実

詩98:3「主はイスラエルの家への恵みと真実を覚えておられる。地の果て果てまでもが、みな、われらの神の救いを見ている」
歴史的にみるなら、キリスト教がヨーロッパの主流になる4世紀ごろ(313年ミラノ勅令)から、ユダヤ教はマイナーに転落し、以降ユダヤ人はキリストを処刑した人種として迫害を受けるようになります。十字軍やレコンキスタなどで、ユダヤ教からキリスト教への改宗が強要されたこともあります。今日ではキリストを信じるユダヤ人をメシアニック・ジューと呼び、ユダヤ人の中でも珍しい存在となっています。また、しかし、聖書は一貫してイスラエルの家の回復を述べており、たとえ今はイエス・キリストを救世主として受け入れてなくても、ユダヤ人が最後まで主の民であることは変わりません。ユダヤ教ではイエスという人物は、初めて自らをメシアだと名乗った人物ととらえており、新約聖書に書かれている内容は否定しています。確かに、イスラエル再建国まで1900年かかったのなら、救世主が現れるのが2000年以降であっても、彼らの時間の感覚からすると何ら不思議ではないのでしょう。詩篇に書かれているシオンやエルサレムイスラエル、ユダの家は、ユダヤ人を中心に書かれています。クリスチャンがするように、彼らもまた主をほめたたえ、新しい歌を歌う(1)のです。