エレミヤ38章 私をなぶりものにするかもしれない

エレ38:19「しかし、ゼデキヤ王はエレミヤに言った。「私は、カルデヤ人に投降したユダヤ人たちを恐れる。カルデヤ人が私を彼らの手に渡し、彼らが私をなぶりものにするかもしれない」」
今までカルデヤ人(バビロン)によってユダが滅びる預言ばかりでしたが、ここにきてエレミヤはゼデキヤに降伏を勧告します(17)。ゼデキヤは、4人の首長たちがエレミヤを殺すと言えば、彼らの自由にさせ(4-6)、宦官エベデ・メレクがエレミヤが死にそうだと言うなら、30人を連れて助けに行かせるのです(9-13)。一貫しない王の言葉と態度には、その部下たちも二分していることがわかります。それは、バビロンに一度は従い、すぐに反逆した態度にも現れています(2王24:20)。エレミヤに降伏を促されたときも(17)、今度は仮にバビロン降伏したとしても、彼らが先に投降していたユダヤ人に見せしめとして引き渡すのではないかと不安がります(19)。ゼデキヤは最後まで決断することができず、バビロン包囲の中、城内で食料が尽きたとき逃げ出し、草原で捕らえられます(2王25:2-6)。ゼデキヤが何度もエレミヤに会ったり、命を救ったりしたのは、彼自身が心の中ではエレミヤの預言が真実なのではないかと、揺れ動いていたように思えます。しかし、何も決断しないままバビロンに捕まり、目をつぶされ、鎖につながれてしまうのです(39:7)。