エレミヤ40章 あなたを釈放する

エレ40:4「そこで今、見よ、私はきょう、あなたの手にある鎖を解いてあなたを釈放する。もし、私とともにバビロンへ行くのがよいと思うなら、行きなさい。私はあなたに目をかけよう。しかし、もし、私といっしょにバビロンへ行くのが気に入らないならやめなさい。見よ。全地はあなたの前に広がっている。あなたが行くのによいと思う、気に入った所へ行きなさい」
侍従長ネブザルアダンはネブカデネザルからエレミヤに「目をかけてやれ(39:12)」と命じられています。「侍従長」は天皇などに仕える者を指します。新共同訳では「親衛隊の長」口語訳では「侍衛の長」となっています。また、英語訳NIVは「commander of the imperial guard」と訳され、新共同訳に近い訳となっています。ネブカデネザル王も侍従長ネブザルアダンも、エレミヤが語った預言の内容を知っていました(3)。ネブザルアダンはエレミヤに自由にするように言い渡します。しかもバビロンに来るなら「目をかけよう(4)」と厚遇を約束しています。結局、エレミヤはユダにいる捕囚されなかったユダヤ人の元に送られます(5)。ネブカデネザルがユダヤ総督に選んだゲダルヤという人物は、祖父はヨシヤ王に仕え(2歴34:18)、父アヒカムはエホヤキム王のときにエレミヤをかばい命を救った人物です(エレ26:24)。主を重んじ、神のことばに従う家系に育ったゲダルヤは、ユダの直系の王族イシュマエルが自分を暗殺しようとする話を信じません(14) 。これほど困難な時期に、権力争いはないと思っていたからです。