エレミヤ38章 私の言うことを聞きません

エレ38:15「エレミヤはゼデキヤに言った。「もし私があなたに告げれば、あなたは必ず、私を殺すではありませんか。私があなたに忠告しても、あなたは私の言うことを聞きません」」
今までのゼデキヤの行ないからエレミヤがこう推測したのも無理のないことです。最初にエレミヤの預言を聞いた4人の男たちがいました。もし1節の「マルキヤ」が「王子マルキヤ(6)」のことだとするなら、ゼデキヤの息子か叔父の可能性があります。マルキヤの子はパシュフルで(1)、さらにその子はゲダルヤ(1)という関係になります。彼らは「首長」だとあり(4)、王族から高い地位に就いていたのでしょう。聖書に書かれている通りなら、3世代の王族がエレミヤの預言を聞いて、憤慨し、ゼデキヤにエレミヤを殺すように要求している(4)構図が浮かび上がってきます。しかも、エレミヤは監視の対象でしたから、捕らえることも簡単ですぐにでも懲罰を与えることができます(5)。果たして王の言うとおりに、何なく水牢に入れることが出来ました(6)。エレミヤは宦官のエベデ・メレクの訴えで、一命を取り止めましたが(12)、再度ゼデキヤが来たときにはすでに彼への信用は失っていました。どうせ聞いても、従わないでしょう…とエレミヤはあきれています。ゼデキヤはたとえ降伏しても、先にバビロンに降伏したユダヤ人たちが自分を許さないと考えていました(19)。エレミヤはゼデキヤに、主に従えばいのちは助かる(20)、と再度訴えるのです。