エズラ3章 礎はまだ据えられていなかった

エズ3:6「彼らは第七の月の第一日から全焼のいけにえを主にささげ始めたが、主の神殿の礎はまだ据えられていなかった」
エルサレムに帰還したユダヤ人たちが、最初に行ったことは、神殿再建の準備ではなく、祭壇を築くことでした(2)。神殿を早く再建し礼拝することも大事ですが、彼らの思いの中にはいけにえを捧げることが最優先されたのです。そして、実際に工事に着手したのは翌年の2月でした(8)。エズラ記の中の再建の手順は、いけにえを捧げ主に対する忠誠を誓うこと(4)、必要な物資と人材を揃える(7)というものでした。「礎」は神殿の規模や方位を定めるために据えるもので、現代でも建築の最初は礎を築くことです。日本でも東大寺など最も古い建物に礎石があることがわかっています。つまり、礎が据えられない限り、建築には取りかかれないのです。帰還したユダヤ人を導いたのはヨシュアとゼルバベルとその兄弟、祭司たちでした(2)。一刻も早く…という思いもあったでしょうが、ソロモンでさえ神殿を作るのに7年かかっているのですから(1王6:37)、そう簡単にはいきません。それでも、「彼らの目の前でこの宮の基が据えられたとき、大声をあげて泣いた(12)」とあるように、実際に礎を見たときの感動はひときわだったと思います。悲願が叶うことは大きな喜びですが、70年の歳月を乗り越えてからならなおさらのことです。イエス様が帰って来るときも大声で泣いてしまうのでしょうか。