エレミヤ30章 ヤコブは帰って来て

エレ30:10「わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。―主の御告げ―イスラエルよ。おののくな。見よ。わたしが、あなたを遠くから、あなたの子孫を捕囚の地から、救うからだ。ヤコブは帰って来て、平穏に安らかに生き、おびえさせる者はだれもいない」
この預言がハナヌヤのときや(28:1)、シェマヤのときにされたなら(29:32)、彼らはさばきを受けずに済んだでしょう。しかし、主の御計画はハナヌヤやシェマヤが預言したように、すぐにバビロンから解放されるものではありませんでした。確かに捕囚で連れて行かれたユダヤ人たちの境遇は楽なものではなかったと思います。エレミヤの預言では「産婦のように腰に手を当て」「顔が青くかわっている(6)」とあるように、主の民が苦しみの中で、腰を痛め、顔が青ざめていることが書かれています。主はユダヤ人たちをバビロンの地に連れて行き自分の国を捨てさせ、恥辱を味わわせて、いかに彼らが主に対してひどい仕打ちをしたかを思い出させました(15)。ユダヤ人たちが絶望の中で悔い改め、再び主を求める心を持つことを待たれたのです。70年後の彼らの子孫には「わたしは彼らに、わたしが主であることを知る心を与える(24:7)」と、もう一度主を知る機会を与え、やり直すチャンスをくださっています。神殿再建は(18)彼らの帰還の象徴となり、目的となりました。本来なら偶像を禁止しているので、拝む対象を作ることは良くないことです。しかし、神殿再建という目標があることで、ユダヤ人たちが一致団結し、神殿が回復することがエルサレムの再建につながることを主はご存知でした。