エズラ5章 命令が下されたかどうか

エズ5:17「ですから今、王さま、もしもよろしければ、あのバビロンにある王の宝物倉を捜させて、エルサレムにあるこの神の宮を建てるためにクロス王からの命令が下されたかどうかをお調べください。そして、このことについての王のご意見を私たちにお伝えください」
エルサレムに残り、住み続けていたユダヤ人たちは、同胞が帰還し神殿を再建するのと見て喜び、一緒に作業したいと申し出ました(4:2)。しかし、帰還したゼルバベルたちはこれを拒否し、そのことがきっかけで在留のユダヤ人たちは作業の妨害をします(4:4-5)。さらに、エルサレムにいたペルシャの高官たちは、神殿再建が完成するなら税金を納めなくなり、王の収入に損害を与えることになると、訳のわからない手紙を送り、王から圧力をかけさせ工事を中断させています(4:13-24)。クロス王から、アハシュエロス(4:6)、アルタシャスタ(4:7)、と続き、今回ダリヨス王に代わっています(7)。創世記ではヨセフがエジプトを飢饉から救い王に次ぐ位になりましたが(創41:41)、そのエジプトのパロが死にヨセフのことを知らない王が出てきたとき、ユダヤ人がなぜエジプトにいるかを理解できませんでした。ペルシャも同様に、前王の命令を知らなければ、なぜエルサレムユダヤ人が集まり神殿を修復しているのかはわからないと思います。それゆえに、クロス王が文書にしておふれを出したことは(1:1)ユダヤ人にとって追い風となりました。ペルシャの正確な書簡の保存のゆえに(6:2)、ダリヨスも神に目を向けることになったのです。