ネヘミヤ1章 わたしが選んだ場所に、彼らを連れて来る

ネヘ1:9「あなたがたがわたしに立ち返り、わたしの命令を守り行なうなら、たとい、あなたがたのうちの散らされた者が天の果てにいても、わたしはそこから彼らを集め、わたしの名を住ませるためにわたしが選んだ場所に、彼らを連れて来る』と」
申命記からの引用です(申30:1-5)。このような聖書の言葉が祈りの中に出て来ることは、ネヘミヤが献酌官という立場にありながら、イスラエルの神に従い聖書をいつも読んでいたことがわかります。しかし、エズラ記の最後の言葉は「彼らの妻たちのうちには、すでに子どもを産んだ者もいた(エズ10:44)」という終わり方で、何か尻切れとんぼのようなものです。また、ネヘミヤ記の最後も異邦の妻を娶っていることへの悔い改めで終わっています(13:27-31)。せっかくモーセの約束がありながら、神への信仰の回帰や悔い改めがあったとしても生活の中にしっかりと根付いた悪習慣が、神からの完全な祝福を受けられない状態になっているのです。確かにユダヤ人たちはクロス王が神の霊を受けたことにより(エズ1:1)、エルサレムに帰ってきました。この背後には神が働き、アハシュエロス王にはエステル、モルデカイ、ダリオス王にはダニエルなど直接王に関係する立場として、高い位置にユダヤ人がいたのです。ネヘミヤもその中の一人であり、献酌官という王に最も近い毒味役の仕事をしていました(11)。彼らユダヤ人は神に立ち返ろうと努力し、確かに神殿は再建されましたが、本当にユダヤ人たちがエルサレムに帰り自分たちの国を作るのは2500年も後のことになります。