ネヘミヤ4章 槍を手に取っていた

ネヘ4:21「こうして、私たちはこの工事を進めたが、その半分の者は、夜明けから星の現われる時まで、槍を手に取っていた」
ネヘミヤに記されているような妨害工作があったことは、エズラ記には書かれていません。エズラ記では神殿工期が中断されてダリヨス王による、工事再確認の手紙とともに工事が王費でまなかうことや、意図的に工事の邪魔をしないように諭した命令書が送られています(エズ6:3-12)。歴史的にみるならクロス王とダリヨス王の間には2人の王がいたことになっており、ダリヨスの時代まで30年近くの時間が空いていることになります。聖書では「ダリヨス王の治世の第六年、アダルの月の三日に完成した(エズ6:15)」と書かれており、エズラもネヘミヤも工事当初30歳前後だとしても、神殿完成したころには60歳を超えていた計算になります。エズラでは神殿の礎を定める話が詳しく書かれていますが(エズラ3:6-11)、ネヘミヤでは神殿を囲う城壁とその門の工事が描かれています。おそらく同時期に活躍したであろうエズラとネヘミヤですが、神殿そのものより、外部と直接つながりのある城壁と門の再建のほうが難しかったことがうかがい知れます。献酌官という剣とか槍の扱いに慣れていないネヘミヤは何とか防御しようと必死だったのです。