エステル9章 廃止してはならない

エス9:27「ユダヤ人は、彼らと、その子孫、および彼らにつく者たちがその文書のとおり、毎年定まった時期に、この両日を守って、これを廃止してはならないと定め、これを実行することにした」
ハマンにしてみればモルデカイは自分にひざまづかない無礼なユダヤ人で、アハシュエロス王にとっては王の暗殺を食い止めた功労者です(2:22)。ハマンがモルデカイだけを処罰すれば、エステル記の結末も違っていたかもしれませんが、ハマンは欲を出して、モルデカイの民族全てを殺そうとしたのです(3:4)。王の見る目とハマンのモルデカイへの印象は全く違っていました。二人ともモルデカイがエステルの叔父であることは知らずに判断していくのです。ハマンがもしエステルとモルデカイの関係を知っていたら、くじを引くこともなかったでしょう。アハシュエロス王がエステルとモルデカイの関係を知ったのは、ハマンが死んだ後でした(8:1)。つまりハマンは最後までモルデカイはエステルの叔父であることを知らなかったはずです。本来、王妃の叔父を妬むことも、下に見ることもなかったはずのハマンは、ユダヤ人を滅ぼす計画を立てていました。どこかのボタンの掛け違いから、ハマンは自分の息子たちをも失い(10)、木にかけられてしまいます(14)。いろいろなことが重なり、プリムの祭りは制定されました。この廃止が禁止されたプリム祭は現在でも続けられ、聖書に書かれている通りに、覚えられ、祝われています。