伝道者の書4章 王に代わって立つ後継の若者

伝4:15「私は、日の下に生息するすべての生きものが、の側につくのを見た」
ソロモンの父ダビデイスラエルの中で最も人気のある王でした。現在のイスラエルの国旗は通称「ダビデの星」と呼ばれる星型を描いたものです。アブラハムモーセも聖書の中で活躍した人物ですが、ダビデは別格なのです。そんなダビデも自分の息子アブシャロムにクーデターをされたことがあります(2サム15:1-16)。このときアブシャロムは巧みに民衆の心をつかみ(2サム15:1-5)、民はダビデよりもアブシャロムのほうが良い王になるかもと心をなびかせたのです。ソロモンが唯一見ることができた、後継者に心をなびかせる民とはおそらくこのことだろうと思います。しかし、ソロモンは「生息するすべての生きもの(15)」が年老いた王よりも、後継者に期待を寄せるものだと語っています。さらに、後継者が今あるすべての民の先頭に立っても、彼は喜ばれないとも言っています(16)。最近では10年も政権のトップにいれば長期政権だと言われますが、民は常に新しいリーダーを求めるものです。そんな権力争いもむなしいとソロモンは嘆きます。自分が王であるゆえに、そのように権力を目指す者たちを多く見て来たのだと思います。