ダニエル4章 人間の中の最もへりくだった者

ダン4:17「この宣言は見張りの者たちの布告によるもの、この決定は聖なる者たちの命令によるものだ。それは、いと高き方が人間の国を支配し、これをみこころにかなう者に与え、また人間の中の最もへりくだった者をその上に立てることを、生ける者が知るためである」
みこころにかなう者にその国をゆだねるのは簡単ではなさそうです。ダニエルのいうへりくだりの方法とは「人間の中から追い出され、野の獣とともに住み、牛のように草を食べ、天の露にぬれる(25)」というものでした。へりくだりというより、これはもう理性を失った獣そのものです。いくら身を低くしろと戒めたとしても、これほどの身の落とし方は人間には思いつきません。まさしく天からのもので、「いと高き方の宣言」だとダニエルは言っています(24)。最も高い身分のものが、人から見下げられるようになるのはつらいものです。広大な領地の王であるならなおさらです。イエス様も本来なら神であられるのに、神の地位を捨てることができないとは考えませんでした(ピリ2:6)。ネブカデネザルも人であることを捨てるとは予想さえしないことだったと思います。ちょうとネブカデネザルが人の理性を失い獣と同じになるように、イエス様も人と同じ肉を着られ、人と同じように試みにあったのです(ヘブ4:15)。それがいかに困難なことかはひな形のネブカデネザルを見れば一目瞭然です。何気ないダニエルの解き明かしの中にイエス様の支配する国が垣間見えることは不思議なことです。