ダニエル5章 いと高き神が人間の国を支配し

ダニ5:21「そして、人の中から追い出され、心は獣と等しくなり、野ろばとともに住み、牛のように草を食べ、からだは天の露にぬれて、ついに、いと高き神が人間の国を支配し、みこころにかなう者をその上にお立てになることを知るようになりました」
ネブカデネザル王が理性を失い、獣とともに暮らすようになったきっかけは、「この大バビロンは、私の権力によって、王の家とするために、また、私の威光を輝かすために、私が建てたものではないか(4:30)」という彼の思い上がった言葉にあります。この出来事は天の神とネブカデネザルとの間でのやりとりで、彼が理性を失い、理性を取り戻すまでの間にダニエルは登場していません(4:30-37)。それでもこれが王に仕える者たちにばれないはずもなく、ダニエルが夢を解き明かしたように(4:14-15)、これが天地を造られた神からのものだと理解していました。理性を失い、獣のように肉の思いのままに生きることは、あたかもイエス様が肉を着てお生まれになって、人の間に住んだこととイメージがかぶります。七つの時の期間が終わり、ネブカデネザルに理性が戻ってきた時、主をほめたたえ(4:34)、以前にも増して大いなる者になったと書かれています(4:36)。「いと高き神が人間の国を支配し(21)」というフレーズは、これで2回目です(4:25)。ネブカデネザルは幸いにも、みこころにかなう者に選ばれたのです。しかし、彼が経験した7つの時は、人が想像もしない過酷なものでした。