ホセア10章 美しい石の柱を立てた

ホセ10:1「イスラエルは多くの実を結ぶよく茂ったぶどうの木であった。多く実を結ぶにしたがって、それだけ祭壇をふやし、その地が豊かになるにしたがって、それだけ多くの美しい石の柱を立てた」
ヤロブアムが2つの子牛をダンとベテルに据えたのはわかっていますが(1王12:29)、ホセアにはそれ以外にギルガルとベテ・アベンにも子牛があったことが書かれ、そこに行ってはならないと禁じられていました(4:15)。イスラエルはヤロブアム2世の時代に最も領土を広げ、そのことはヨナの預言にも書かれているとあります(2王14:25)。そのような領土回復はホセアの預言の「多くの実を結ぶ」ことと重なり、おそらくイスラエルの民は喜び、獲得した領土に新しい石を立て、祭壇を据えたのだと思われます。「石の柱」は神や人、部族を象徴するもので、それ自体には意味はありません(出24:4)。単なる記念の石です。ところが「記念」とか「象徴」を超えて何かもっと崇高なもののように考えてしまうのが人の弱いところです。イスラエルは勘違いを繰り返し、領土が増し加わるのに従い、石を立て続けたのです。そして祭壇を築き、一体自分が何を拝んでいるかもわからずに、拝み続けたのです。主があれほど他の神を拝んではならないと言ったにも関わらずです。良い出来事の裏にはつまづきの石が置かれています。ホセアの人生をかけたデモンストレーションを見て、誰かが自分の歩むべき道を見つけるべきでした。