ナホム2章 水の流れ出る池のようだ

ナホ2:9「ニネベは水の流れ出る池のようだ。みな逃げ出して、「止まれ、立ち止まれ」と言っても、だれも振り返りもしない」
ニネベはアッシリアの首都ですが、首都にしたのはセナケリブです。セナケリブは他の国と同様に、ユダ国を包囲しすでに支配したイスラエルと同じように陥落させるつもりでした(2王18:13)。しかし、主はヒゼキヤの祈りに応えられ(2王19:16-19)、一夜にして18万5千人の兵士が主の使いに打ち殺されてしまいます(1王19:35)。聖書の記述では「人々が翌朝早く起きて見ると、なんと、彼らはみな、死体となっていた。アッシリヤの王セナケリブは立ち去り、帰ってニネベに住んだ(1王19:35-36)」となっており、セナケリブは18万もの兵士を失ったのに何事もなかったように、ニネベの遷都をしたような書き方になっています。セナケリブのニネベ建設は、二重の城壁を築くことから始まり、町の中にはチグリス川が流れていました。この川は交通手段や防御のために用いられていたようです。二重の城壁と川の防御を破られたニネベは、もう太刀打ちできる状態でなく、町の人々が逃げ惑う様子をナホムは「止まれ、立ち止まれ」と言っても、だれも振り返りもしない、という表現で的確に預言しています。