ナホム1章 エルコシュ人ナホムの幻の書

ナホム1:1「ニネベに対する宣告。エルコシュ人ナホムの幻の書」
エルコシュという地名が現在の地名と同じなら、イラクの北部にある人口5000人ほどの村のことになります。ヒゼキヤの時代にユダを攻めたアッシリア王セナケリブは、一夜にして18万5千人の兵を失い、ニネベに帰ってからは息子たちに暗殺されています(2王19:35-37)。ヨナはヤロブアム2世が領土を回復することを預言していたので(2王14:25)、ナホムとはかなり時代が離れていると思います。ヨナの時代にはニネベの人たちは、まだ主に立ち返ろうとする努力を見せていました(ヨナ3:4-7)。その後、どのような経緯があったかはわかりませんが、イスラエル、エジプトへと進撃し、イスラエルはヒゼキヤ第6年にサマリヤが陥落されています(2王18:10)。結局、イスラエルやユダと同様に、王の世代が変わると神に対する畏敬の念も各王ごとに違っているために、ヨナのときに悔い改めた王がその信仰を子どもに継承することはなかったようです。ヨナのときに救われた12万人(ヨナ4:11)を遥かに上回る18万5千人がヒゼキヤのときに殺されています(2王19:35)。アッシリヤが続けて主を恐れていたら、ナホムを遣わせてニネベが滅ぶことを預言しなくても済んだかもしれません。