創世記36章 首長テマン

創36:15「エサウの子で首長は次のとおり。エサウの長子エリファズの子では、首長テマン、首長オマル、首長ツェフォ、首長ケナズ」
エサウの孫たちは「首長」となり、エサウの家系を広げていきました。ヘブル語では「alluwph(アルーフ)」という単語が使われている「首長」ですが、「友達」「統治者」の意味もあります。その筆頭がテマンで、テマン族はやがて知恵ある部族として語られています。エレミヤには「テマンには、もう知恵がないのか。賢い者から分別が消えうせ、彼らの知恵は朽ちたのか(エレ39:7)」という預言があり、エドムのテマン族は知恵ある部族と認識されていたようです。またヨブ記に現れる3人のヨブの友人にテマン人がいます(ヨブ2:11)。彼もまた知恵ある者としてヨブに助言を与えようとやってきた1人でした。本来、イサクの長男として神の約束を受け継ぐのはエサウだったはずですが、彼はエドム人として聖書にはさばかれる対象となっています。モアブ、アモン、エドムはよくセットとして預言に登場しますが(エレ27:3、ダニ11:41など)、モアブ、アモンの父ロトはアブラハムの甥、エサウはイサクの長男というアブラハム純血統の関係にありながら、何らかの歯車が食い違い、彼らはイスラエルと敵対する部族になっていくのです。