マタイ9章 笛吹く者たち

マタ9:23「イエスはその管理者の家に来られて、笛吹く者たちや騒いでいる群衆を見て」
一般的にユダヤでは死んだらすぐに葬式をして、没薬を塗り、亜麻布で体中を巻き墓に安置します(ヨハ11:17、マコ15:46)。管理者の娘は、死んですぐにイエス様のもとに来たので、葬式をする前にイエス様を連れてくることができました(18)。「笛吹く者たち」は、雇われて弔いの曲を奏でる人たちを指します(ルカ7:32)。それに合わせて歌う者、踊る者、泣く者といろいろ葬儀にはいろいろな役割がありました。しかし、イエス様には「騒いでいる群衆」ぐらいにしか見えなかったようです。葬儀が終わり次第、墓への行進を予定していた雇われ奏者や泣き女たちは、自分たちが呼ばれた理由を知っていました。葬式の準備万端でそろっていた人たちは「その子は眠っている(24)」と言われたので、違和感を覚えます。聖書には「あざ笑った(24)」とあります。眠っている子を起こしただけなら、さほど大事件にはならないでしょう。もし、その場に笛吹く者や泣き女などがいなければ、娘が息を引き取ったと思ったのは会堂管理者の勘違いで話は終わっていたと思います。「このうわさはその地方全体に広まった(26)」とあるのは、葬式のプロがそれを見て仰天したからです。