マタイ14章 あなたがたで、あの人たちに何か食べる物を上げなさい

マタ14:16「しかし、イエスは言われた。「彼らが出かけて行く必要はありません。あなたがたで、あの人たちに何か食べる物を上げなさい」」
ゲツセマネの祈り(26:36-46)以降は、4福音書共通の記事が数多くありますが、イエス様の宣教活動の中では唯一4つの福音書に共通に書かれている5000人の給食の記述です。各福音書の詳細は若干異なりますが、イエス様が弟子たちを試そうとしたのは全福音書同じです。またパンが5つと魚が2匹というのも共通事項です。ヨハネ福音書には、この5つのパンと2匹の魚の出どころが書かれており、アンデレが少年が持っているのを発見したことになっています(ヨハ6:8-9)。とにかく男の数だけで5000人(21)という膨大な人数の胃袋を満たすとなると、5つのパンと2匹の魚を子どもからもらったとしても12人の弟子でさえ満腹にはならないでしょう。弟子たちがどうするべきか迷う中、イエス様が5つのパンを祝福し、裂いて配ると(19)、全員が食べられ満腹になりました(20)。パンきれの余りは12のかごいっぱいにあったとあります(20)。マタイとマルコにはこの後4000人を前にして同じように食べ物を配る奇跡が書かれています(15:32-38、マコ8:1-9)。自分たちがパンを持っていなかったことが問題ではないことは彼らにはわからなかったようです(16:5-11)。