ルカ10章 働く者が報酬を受けるのは当然

ルカ10:7「その家に泊まっていて、出してくれる物を飲み食いしなさい。働く者が報酬を受けるのは、当然だからです。家から家へと渡り歩いてはいけません」
このイエス様の語られたことばを、パウロはテモテへの手紙の中で引用しています(1テモ5:18)。また、マタイでは「働く者が食べ物を与えられるのは当然だからです(マタ10:10)」と書かれており、「報酬」が「食べ物」となっています。一字一句同じなので、おそらくパウロはルカの福音書から引用したと思われます。問題はテモテの手紙が書かれたときに、ルカの福音書新約聖書だったかどうかです。使徒の働きを読む限り、ルカはパウロと伝道を共にして、かなり親密だったことは明白です。ルカの福音書の編纂にもパウロが関わった可能性があります。ルカの福音書使徒の働き、テモテへの手紙の3つはだいたい西暦60年ごろだとされ、同じ時期に書かれたと言われています。西暦50年は、イエス様が昇天されて約半世紀が経ち、初代の弟子たちも徐々に亡くなり、直接イエス様を知る人たちが少なくなっている頃でした。そのころイエス様を伝える「福音書」は複数存在しており、パウロはルカが書いた「ルカ福音書」を用いていたと思われます。弟子テモテに送った手紙から、パウロとルカの関係が垣間見えます。