使徒16章 確信したからである

使16:10「パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤへ出かけることにした。神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである」
「私たち」と書かれていますが、この使徒の働きの筆者であろうルカが、第二回伝道旅行に同行していたことがわかります。これ以降の記述はルカが実際に経験した体験記のような書き方に変わっています。第2回目の伝道旅行のきっかけは、パウロが最初の伝道旅行で開拓した教会を見に行き、安否を調べたかったからです(15:36)。しかし、バルナバのいとこマルコを嫌ったパウロは、シラス(15:40)を選び、このときにおそらくルカも同行することになったのだと思います。ここでパウロの行き先を2度にわたって変更されています。最初はアジア地区へ行くことが聖霊によって禁じられました(6)。ここはエペソ、スミルナ、ペルガモなど黙示録にでてくる教会があるところです。次はエーゲ海に面したムシヤに来たので北上してビテニヤに行こうとしましたが、イエスの御霊によって禁じられています(7)。そして夢によってエーゲ海を渡ったマケドニアに導かれたので、パウロ一行はマケドニアこそ自分たちが行くべき場所だと確信するのです。バルナバとの反目はありましたが、パウロの行き先は聖霊によって導かれていました。