使徒25章 パウロをエルサレムに呼び寄せて

使25:3「パウロを取り調べる件について自分たちに好意を持ってくれるように頼み、パウロエルサレムに呼び寄せていただきたいと彼に懇願した。彼らはパウロを途中で殺害するために待ち伏せをさせていた」
フェストは州総督に赴任早々、面等くさい問題を突きつけられます。いきなり、祭司長たちに取り囲まれパウロエルサレムに連れて来いと懇願されるのです(3)。前任者ペリクスは、したたかでユダヤ人が金を持っているのを知っていたので、なんとかユダヤ人のご機嫌を取ろうとしています(27)。さらにパウロからも金をもらおうとしていましたが(27)、それは千人隊長がローマ市民権を金で買ったように(22:28)、顔かたちがユダヤ人のパウロも同様に市民権を金で買ったと思ったからです。当然、そのような金があるならパウロにはもっと金を持っていると推測してもおかしくありません。これに対して、新任フェストはユダヤ人の思惑通りに行かず、パウロエルサレムで暗殺しようとした企みは挫折するのです。フェストはパウロがカイザルに上訴したことを受けて(21)、パウロを無事にローマまで護送しなければなりませんでした。それ以上に、カイザルに何とこの男のことを説明しようかと頭を悩ませています(27)。罪状なくして皇帝の前で裁判をさせることなどできません。ついにはユダヤ王アグリッパが直接尋ねて、ユダヤの律法に違反したかどうかを見極めようとしています。結局、最後までパウロに対する罪状を示すことができず(26:31)、フェイスは具体的な罪状を示せず、パウロをローマに送ります。