使徒26章 最も厳格な派に従って

使26:5「彼らは以前から私を知っていますので、証言するつもりならできることですが、私は、私たちの宗教の最も厳格な派に従って、パリサイ人として生活してまいりました」
エルサレムにいるユダヤ人なら、ガマリエルに師事した者を一目置くぐらい有名な存在だったようです。パウロ自身も自分がガマリエルのもとで厳格な教育を受けたと証言しています(22:3)。そのガマリエルはペテロがエルサレムで捕まったときに、「もし神から出たものならば、あなたがたには彼らを滅ぼすことはできないでしょう(5:39)」と議員たちをたしなめた人です。非常に賢く、神を恐れる姿勢がある人物で、パウロが彼のもとで教えを乞うたことはパウロの人格形成の核をなしていると思います。逆に言うと、キリストを伝えるためには、徹底した律法の知識が必要だったとも言えます。パウロはそういう意味では、宣教者に適任で、主の選びの確かさが光ります。旧約の知識があってこそ、イエス様の存在が成り立つのです。決して、新しい分派や新興宗教パウロが広めているわけではありません。もちろんユダヤ人の間ではナザレ一派とかナザレ人と揶揄されてはいますが(34:5)、パウロが律法を捨てたわけではないのです。アグリッパに福音を伝えるためにも、アグリッパが知っている聖書の成就がイエス・キリストであることを知ってもらいたいのです。