使徒28章 直接あなたから聞くのがよい

使28:22「私たちは、あなたが考えておられることを、直接あなたから聞くのがよいと思っています。この宗派については、至る所で非難があることを私たちは知っているからです」

ローマのユダヤ人たちは、アジアやマケドニアユダヤ人のように敵意むき出しでパウロに接していません。パウロユダヤ人の告発で訴えられ、ローマ人の釈放を阻止したことを説明することから彼らとの会話を始めています(19)。あれだけ苦労してローマにやって来ましたが、直線距離にするならエルサレムからピリピよりも、ローマからピリピのほうがはるかに距離は短いのです。エルサレムから陸路よりは、船のほうが早いと判断したのだと思われますが、地中海は思ったよりも天候の変化が激しいようです。緯度を比べてみるならほとんど日本と変わらず、南の方では温暖で、北は雪が降る地域です。マルタ島(1)はシチリアのすぐ南にある小さい島で、ここでパウロは病人を癒しています(9)。パウロたちがローマに着くと、ユダヤ人たちが集まって来ます。それは、同胞のユダヤ人が上訴したことが広まり、何事が起きたのかを見に来たのだと思います。そして、パウロ自身にその説明を求めました(22)。パウロにしてみれば伝道の好機が訪れたのです。しかし、イザヤの預言のように耳を貸さない者もいました(25-27)。不思議なことに異邦人の方が福音に対して心を開くように主が仕向けています。それが主の選んだユダヤ人への懲らしめではなく、何かご計画があるのだと思います。アブラハムと約束したことは、世の終わりまで変わることがないのです。