使徒27章 それを裂いて食べ始めた

使27:35「こう言って、彼はパンを取り、一同の前で神に感謝をささげてから、それを裂いて食べ始めた」
いわゆる難破の状態で、暴風のために航行をあきらめて、流れに任せたとあります(18)。三日目には船具まで投げ捨てなければならないほど(19)、自分たちの思うように船は進まなくなってしまったのです。浅瀬に乗り上げ、船が破損することが最大の心配事でした(29)。そして、船が航行不能になってから14日の間、食事ができませんでした。乗船している人数分の食糧がなかったのかもしれません。パウロはパンを取って、神に感謝をささげて、パンを裂いて食べました。この記述はイエス様が5000人の人たちにパンを食べさせたときとそっくりです(マタ14:19)。パンが十分あったかどうかは書かれていませんが、276人という人数と(37)、全員が元気づけられたことが書かれています(36)。パウロが食事をするように勧めたのは、パウロには絶対助かる信仰があったからです。助かるには条件がありました。全員、誰ひとり欠けることがあってはならないというものです。脱走したり、殺されてはだめなのです(42)。神のもとで、「助かる」と言われたのなら、全員がその対象です。誰ひとりその恵みから漏れてはいけないのです。