ヤコブ4章 苦しみなさい

ヤコ4:9「あなたがたは、苦しみなさい。悲しみなさい。泣きなさい。あなたがたの笑いを悲しみに、喜びを憂いに変えなさい」
普通に読めば驚愕するようなヤコブの言葉です。「苦しみなさい」「悲しみなさい」「泣きなさい」は人が避けようとするものばかりです。ヤコブが最初に訴えているのは、人の中にある「欲望(1)」についてです。何を神に願うかは自由ですが、願っても受けられないことはあります。ヤコブは端的にその答えを「自分の快楽のために使おうとして、悪い動機で願うから(3)」だとしています。そして3つの提言をしています。「神に従いなさい(7)」「神に近づきなさい(8)」「神の御前でへりくだりなさい(10)」の3つです。「神に近づきなさい」の中で「あなたがたは苦しみなさい」とあります。「あなたがた」は「罪ある人たち(8)」のことです。罪があるとは、神から離れている人たちを指します。ただ普通にしていれば、神に近づこうとは思いませんが、苦しんだり、悲しみが訪れたときに初めて何かに頼ろうとします。ヤコブは人を懲らしめるためにこの手紙を書いているわけではありません。むしろ、自分たちの欲を捨てて、清い心で神の前に立ってもらいたいと願っています。何の条件もなく苦しめと言っているのでなく、神の前で欲を捨てて、へりくだってもらいたいと考えていると思います。