ヤコブ5章 耐え忍びなさい

ヤコ5:8「あなたがたも耐え忍びなさい。心を強くしなさい。主の来られるのが近いからです」
ヤコブは国外に散らされた12部族に対して手紙を送っています(1:1)。ヤコブは主の兄弟ヤコブだと考えられています。12弟子のヨハネの兄弟ヤコブは、ヘロデ王によっと殺されています(使12:2)。ヤコブの考え方は、主の恵みや祝福にはあまり重点を置いていません。主を信じるものが集まるときに、彼らの信仰を具現化した行為が伴うことが彼の理想です(1:22)。苦悩、忍耐はヤコブの好きなことばで(10)、神を信じる者が成長の過程で避けては通れないものだと感じているようです(1:4)。「耐え忍んだ人たちは幸い(11)」は、ヤコブならではの言葉です。そもそもユダヤ人が祝福され、メシアによってイスラエルの再興が実現したのなら、国外に散らされることもありません。もちろん、パウロの言うようにクリスチャンになるためには、信仰のみが必要で、唯一しなければならないのは「口で告白(ロマ10:10)」することです。ヤコブは信じてクリスチャンになったあとのことに重きを置いているのです。また、ヤコブが注目しているのは旧約の預言者たちで(10)、彼らもまた主の試練を通して、主のことばを民に伝え続けました。旧約の時代から、神に仕えるためにはそれなりの成熟された人格が必要でした。ヨブに焦点を当てているのも(11)、教師が格別きびしいさばきを受けることを書いているのも、神に仕える者への訓戒だと思います。