詩篇112篇 悪者の願いは滅びうせる

詩112:10「悪者はそれを見ていらだち、歯ぎしりして溶け去る。悪者の願いは滅びうせる」
この歌い手はこの詩の歌い始めのアルファベット「アルフ」を使った単語に「esher(エシャー)」を使っています。その意味は「祝福された」というもので、新改訳では「幸いなことよ(1)」となっています。それに対してアルファベットの最後の「タブ」を使った言葉は「taavah(タアバー)」が使われ、意味は「欲望」とか「願い」です。新改訳では「悪者の願い」の「願い」に相当します。このようにヘブル語を自由に話せ、詩に残されていることは、いかにヘブル語の文化が優れていたかを示すものです。日本でも古くから「いろはにほへと」の47文字は、一度も同じ仮名を重複させずに歌ったもので、後の時代には手習いの手本として使われていました。また、アメリカのラップ音楽は、即興で韻を踏む言葉を作り出し、英語に精通してなければ簡単にできません。どの国でも言語が発達するごとに文学の深い味わいが生まれ、読む者に感動を与えます。フランス文学、ロシア文学、ドイツ、アメリカ、日本など、例え訳本であっても、人の心に訴えることが出来ます。ヘブル語もまた、豊かな言語でその元となったのは聖書に書かれている神のことばです。詩篇は本来歌であり、調べに合わせて歌われたものです。そのニュアンスはわかりませんが、神をほめたたえることは万国共通です。