哀歌1章 捕らえ移された

哀歌1:3「ユダは悩みと多くの労役のうちに捕らえ移された。彼女は異邦の民の中に住み、いこうこともできない。苦しみのうちにあるときに、彼女に追い迫る者たちがみな、彼女に追いついた」
哀歌はエレミヤの巻末に付属されていたことから、エレミヤが書いたと思われています。確かにエレミヤは捕囚を経験しています(エレ1:3)。哀歌はヘブル語のアルファベット順になっており、エレミヤが書いたとされるエレミヤ書に一度もそのようなアフファベット詩がないことから、哀歌は別の人が書いたとも言われています。とても高い水準の文学の才能がなければ、このような詩をかくことができません。ちなみに1節の最初は「アルフ」から始まる「eykoh(エイホー)」という言葉になっています。新改訳では「ああ」という感嘆詞に訳されていますが、場所について感嘆したり、驚いたりするときに使う語です。3節はヘブル語の3番目のアルファベット「ギメル」から始まる単語「galah(ガーラ)」から始まっています。新改訳の「移された」に相当する語です。また、国を女性にたとえ、女性詞を使ってエルサレムから移されたことを嘆いているのは、哀歌の特徴と言えます。エレミヤは、連行されるときには鎖で繋がれ(エレ40:1)、エルサレムの民も足かせに繋がれていました。エレミヤはエルサレム滅亡を預言しましたが、哀歌はバビロンに連れて行かれてかなり時間がたっていると思われます。