1サムエル18章 先に立って行動していた

1サム18:16「イスラエルとユダの人々はみな、ダビデを愛した。彼が彼らの先に立って行動していたからである」
ダビデを千人隊長にしたのはサウルですから(13)、ダビデが先頭に立って行動するのしかたのないことです。ただ、ダビデがいつも戦果を挙げ(15)、彼の戦術、作戦が的確だとするなら、ダビデの評価が上がるのは当然のことです。一方、サウルは「わざわいをもたらす神の霊(10)」によって、悩まされていました。神の霊ならいつでも下って欲しいように思いますが、それがわざわいをもたらすのなら考えものです。それはサウルが決してダビデを認めようとせず、むしろ人気者になっていくダビデを恐れ、ねたんだからだと思います。どんなに神の霊が下ろうとも、自分の心に人を赦さない思いがあるのなら、どうやって和解することが出来るでしょうか。サウルはダビデをさばくことをやめませんでした。それが、神の戒めとは反することでもサウルには止めることが出来なかったのです。その根底には「自分は王なのに」という思いが支配していたように見えます(7)。いっそのこと王位など捨てるだけの覚悟で主に仕えれば、サウルの人生ももう少しましになったのかも知れません。自分はもっと高い座にすわり、人々から賞賛を受けたい、と思い始めるならサタンが堕落したときの考えと同じになってしまいます(イザ14:13:)。サウルの心には妬みと恐れと不安が一度に訪れ、わざわいをもたらす準備が整い始めていたのです。